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まなざしがまぶしいのは

2.5次元沼につきおとされたミーハー

2.5初心者のアイドルファン審神者が刀ミュを見に行ってきた

ジャニーズ、KPOPと人生の半分近くをアイドルの応援に捧げてきた私が、生まれて初めていわゆる2.5次元ミュージカルと呼ばれるジャンルの刀剣乱舞トライアル公演(以下便宜的に刀ミュ)を観劇してきました。一週間経ってもどうにも気持ちが落ち着かないので、思っていることを書き出してみます。素人目の適当な感想なのであまり深く捕らえずに適当に流し読んでいただければありがたいです。
※内容にがっつり触れています。勝手な憶測があります。作品や出演者を批判する意図はありません。ほとんど加州清光と佐藤流司さんについて長々と喋っているだけの文になってしまった
(2016.1.12 ちょっと加筆訂正しました)
 
◎観劇に至る経緯
2.5次元ミュージカル。ううん、聞いたことはあるものの、見たことも行ったこともない未知の世界でした。漫画禁止、テレビ禁止の家で育ったので二次元にはあかるくないし、アニメが30分ということすらついこの前まで知らなかった。ゲームは小学校のポケモン銀から触った覚えもない。そんな私が大学の友人の強い勧めで、半分無理矢理にサービス開始3日目から相模国審神者に着任したというだけでも、ちょっとした奇跡だったわけです。オンラインゲームってすごいね、セーブボタンいらないんだね。四天王の直前で必ずセーブしなきゃいけなかったのに、時代は進んだものです……。
 
開始早々、よくわからない狐に5人から1人選べと迫られ、そもそも推しキャラとは?何を根拠に決めるの?と混乱。……声優だって!?そんなの知らんがな……。とりあえず、なんとなく加州清光を初期刀にしました。見た目が特別好みっていうわけでもなかったけれど、まあはっきり言ってしまえば、自分の好きな色が赤というだけの理由。
 
数日後。
待ってなにこの子超可愛い。
 
なんせ私、ミーハーだもの。可愛がってと言われれば可愛がり、デコってと強請られれば金色の刀装に最速の馬をつけ、軽傷未満でも撤退させちゃう。憎き槍に悪態をつきながら、着任以来一度も近侍を外さず、立派なモンペと成り下がりました。今年の初めはプライベートもゆっくりしていたので、GWくらいまでは毎日ログインしてました。
 
驚きの告知は、春。
 
ミュ、ミュージカル!?
 
観劇好きな両親のおかげで、小さい頃からミュージカルは好きで履歴書の趣味の欄にも書くレベル(必ず突っ込んでもらえるので会話の糸口になりやすい)。いまでも月2〜3回のペースで見ているけれど、2.5って、2.5ってなんだ。ミュージカルに次元なんて考えたこともなかった。もともと好奇心の強い性格、というかまあ思いきりミーハーなので、一人前に興味だけはありましたが、かなり深い沼になりそうなのでいまいち踏み込めなかったというのが大きいです。うん、ミュージカルは好きだよ、好きだけど。でも2.5次元って、テニミュみたいなもんか?テニミュって名前しか知らんが、どうなんだ?イケメンが舞い踊る感じ?歌は?演技は?刀が!?!?!?
ううっ……よくわからない……。
 
で、夏にキャストの発表。……知らん名前しかない。当然だけども。当然だけども1人くらい知ってる俳優いるかなと思った。山口祐一郎さまとか(贅沢すぎ)。
 
TLといえば「大変だ!」「このキャストでチケットが取れるはずがない!」と阿鼻叫喚のRTが回り、舞台俳優を追っかけている友人から「あんたの推しキャラとんでもないことになった!!!!」とLINEが来るわの大騒ぎ。そうか、私の推しキャラは加州清光なのか……とここで初めて認識。キャラを愛でるという感覚を、ここで初めて得たんですね。
 
とりあえず、加州清光役にとんでもない人気俳優さんがキャスティングされたことだけは、疎い私でも理解できました。個人的にはキャスト云々の前に三条&清光というキャラが選抜されたことの方に興味が強かったけれど。同人誌でもあんまり見ない組み合わせだし。
 
この時はまだ他人事だったんです。せっかくだから一回は行きたいなあくらいの。ジャニーズはともかくとして、KPOPは今でさえ落ち着いたものの、2010年あたりは推しているグループがほぼ毎週のように合同イベントに引っ張り出されていて、何せ金になるビジネスを見逃さない事務所でしたから、本国人気の割に日本でありえない狭さの箱に押し込まれることが多かったわけです。おかげで、これまでチケット戦争という戦争に自ら飛び込みまくってきたという……。本気を出して席を選ばなければ(席運は前世に置いて来た)、なんとか取れるだろうという漠然とした自信もありました。なんとも漠然とした根拠のない自信と、投げられたファンサを自分宛だと思う勘違い脳がドルヲタには必須だと思ってます。
都内に住んでるし、ミュージカルは好きだし、清光が動くことには興味がある。なんだかんだあったけれどチケットも2日分取れたから行ってみよう。そんな感じでした。ミュージカルが始まるまでにプライベートがパタパタとしてしまったので本丸にはもう三ヶ月くらい行っておらず、むしろ熱がちょっと冷めていたかもしれない。
TLに流れてくるネタバレをちょいちょいと見て、ライブがあることだけは分かったので、とりあえずは直前にハンズでペンライトを買いました。ペンライトを自分で選んで買うという感覚が、もう新鮮なんですよ。ジャニは公式があるし、KPOPは大抵チケット代に含まれていて入り口で配布されるから。12色に光るってなんだどんなハイテクシステムなんだ!?!?最初に思いついた人は、推しを何人も掛け持ちしていたんだろうか。
 
 
◎舞台総括
とりあえず簡単に舞台の感想をば。
すごく、面白かったです。
馬鹿みたいな感想ですみません。ジャニーズでもKPOPでもそうだったんですが、年の近い、生まれも育ちも違う男の子たちがひとつのものを作り上げる様を、周りの大人が厳しく見守っているという画に弱い。きっとみんな個人個人の目指す場所はここではなくて、この舞台は将来的な足がかりになるのだろうけれど、でも今、これを、ここで頑張りたいという気迫が伝わってくるフレッシュな舞台でした。個人的には同世代が頑張って何かをやってるというだけで泣いてしまうんですが。
 
・ストーリー展開
一幕はなんというか、一言で言ってしまえばわかりやすい、簡単なストーリーでした。日本人にはよく知られている義経と弁慶を中心軸としているので、歴史に詳しくない私でも比較的すっと入ってくる内容。ゲームをプレイしていない客層には多少不親切な点もあったような気がする(義経が握っていたのが今剣だというのがややわかりにくく、パンフレット等で補足の説明もないので)ものの、それこそが2.5次元ミュージカルの良さなのかもしれないですね。やや閉鎖的であるところが残っていると、プレイしている身は、ふふふと笑えるところも多いし、ヲタってそういう特別扱いみたいなものにくすぐられるから。ゲームの音楽を流されるとどうしても居た堪れない気分になってしまう……なんかごめん。
 
簡単なストーリーのせいか、あまり深みがなかったかなとは思いました。綺麗にまとまってはいたけれど、後々考えてみると歴史って結局変わってない?弁慶のことを(心の奥底の欲望に感応した)義経が殺してしまったし、義経と頼朝が分かり合えたのかどうか、頼朝側の心理がいまいち曖昧で。でも個人的には弁慶、義経、頼朝のアンサンブルの演技が最高だったのでオールオッケーです。義経公最高。生写真買わせて。
 
全体として叫びの演技が多くて、みなさんお忙しいと思いますし短い期間でなんとか詰めたんだろうなという粗さも見えました。おこがましいですが正直、人前に出るレベルには達していないんじゃないかと初見では思ったけれど、千秋楽までにはかなり伸びが見えので、客前に立つと本人の意識の外のところで上達するのだと思います。楽に向けて進歩があるのが舞台の面白いところでもありますし、本公演までに期待したいです。このあたりはトライアル公演として目を瞑るべきなのかもしれない(そのためこの記事では歌唱力には極力触れないようにする)んですが、2.5次元ミュージカルに疎いので素人目には何とも言い難いですね。殺陣にはあかるくないけれど、まあまあ見れる範囲ではあったと思います。SEとズレるのは仕方がないのかな。
 
ミュージカルファンとしては後半に歌が少ない(というか偏りすぎている)気がしました。岩融→三日月とリプライズの使い方は綺麗でうまくまとまっていたものの、もうすこしコミカルな歌を入れてもよかった気がする。特に、勝利の旗→鎮魂歌は曲の雰囲気が似ているのに立て続けなのがすごく勿体なかった……。ラスト、弁慶〜義経を倒すあたりでもう一曲欲しいところ。
あと声を大にして言いたいんですが岩融と今剣をメインにするのであれば、どうしてこの二人のデュエットがないの!?暴走する今剣を説得するのに一曲必要。
一曲目、「刀剣乱舞」のキャラ紹介のときにBGMをキャラに合わせてすこしずつアレンジしているのはよかった。特に三日月。
 
・キャラ
拍手喝采です。たった一種の公演で2.5次元ミュージカルの魅力が分かったような気になってしまうほど。正直言ってここまでの再現度とは思わなかった。2.5次元ってすごい。華やかでリアル。プロジェクションマッピングと照明がいいスパイスで、真剣必殺では思わず声が出てしまいました。衣装、立ち振る舞い、口調、仕草、何もかもが本物でした。歌が〜ってちょっと言いましたが、歌とか演技の前に、役者さんがキャラクターとして生きていれば作品としてはほとんど成功なのかもしれない。そういう意味では刀剣乱舞は最高でした。特に衣装は素晴らしい。強いて言えば、三日月の衣装にもっと良い布を使ってほしいけど……重さが出るかな。
 
キャラ作りはプレイヤーに寄せて媚びるというよりは、公式的な台詞やキャラ設定に基づいていた印象。たとえば加州清光は想像していたより青年らしく、石切丸や小狐丸は礼儀正しかった。初観劇の後「違う気がする」と思って家に帰って、PCを開けて本丸を開いてすぐ「ああ、間違ってなかったわ」と思い知らされたんです。このジャンルは爆発的に流行したので、以前から二次創作と公式の設定が曖昧になっていることが指摘されてきたんですが、私自身、頭の中で勝手にキャラの性格を補完していたのかもしれないなあ。客を納得させるだけの演技力が俳優にあったというところですかね。
 
三日月宗近;初回が終わったあと沸騰した頭でローチケに走り、友人に泣きついて、結局9回入ったんですが、千秋楽のカーテンコールでしずしずと前に出た黒羽麻璃央くんが「三日月宗近だ」と挨拶してくれた瞬間、すべてのパーツがピタリと嵌まった気がして号泣してしまいました……。椅子から崩れ落ちそうでした。ライビュでどこまで写っていたか分からないのですが(アーカイブ版と一緒かな)千秋楽は本当にハプニングが多くて、パタパタしていて見てるこっちが不安だったのに、ひれ伏したかった。まりおちゃんの笑顔で世界が平和になります。
小狐丸;うちの本丸には実装されていないので何とも言いがたいんですが、想像より落ち着き払っていた印象でした。こんな世の中全てわかってますキャラなのか……?でもまあ天下の三条ですしね。六振のなかでも加州清光と小狐丸は特に審神者べったりなキャラだと思うんですが、いい距離感で安心しました。踊りますか!から鎮魂歌の流れが見ていて気持ちいい。本公演ではもう少し歌わせてあげてほしいです。
石切丸;口調にはやや面食らいました。さん付けなんだ……。まあそれは演出として、出てくるだけで笑いが起きる要素を持ちながら、加州清光にきつく当たる様子は予想外で引き込まれました。嫌みなく演じきれるのは役者さんの力だろうと思います、石切丸先生。あとダンスになると機動が上がるのも最高です。
岩融;個人的に再現度ナンバーワンだと思っています。素敵な役者さんをよくぞ見つけて来てくださった……本当にすごい。豪快であたたかくて大きくて優しい、本当に岩融でしかなかった。ミュージカルは初とのこと、よく頑張っていたと思います。本公演までにまだまだ伸びると思うので応援したいですね。
今剣天使。走り回っているだけで会場を幸せな雰囲気に包む子でした。アイドルの舞台やっていたそうで、ファンサが自然で立っているだけでキラキラしてました。天使の生まれ変わりかもしれない。運動量はピカイチでした。文字通り、とんだりはねたりおてのもの。可愛くて癒されました。
加州清光;後述。
 
・二幕
ライブあり、うちわ・ペンライト持ち込み可と言われたときに、文字通り「お前は何を言っているんだ」と思い、2.5次元ってこういうものなのかと友人に聞いたら「レアケース」と一蹴されました。にもかかわらず、これもまた納得させるだけの空気作りがありました……。これはちょっと言葉では説明しにくいんですが。客を引き込むエンターテインメントとしては最高峰だったと思います。歌もダンスもまだまだ未完成で完璧ではないのに、受け入れてしまう自分がいました。
推しの名前を思う存分叫べるのもジャニヲタとしては嬉しいところなんです。本人に気づいてほしいとかそういう話ではないんです、っていうかむしろ気づかなくていいんですが、心の声をそのまま口に出来るのは開放感というかなんというかもうライブの醍醐味です。あと最高だったのは、メインキャストのみならず弁慶さまや義経公にもコールがあったところですね。あの部分は、会場がなんとも言えない暖かい雰囲気で包まれるんですからねえ。初めていらした方は「えっ呼ぶの!?」みたいな感じで笑ってるんですが、プリンシパルが着替えに入っている間の太鼓ソロでは絶叫することになります。わたしも最初は戸惑ったものの、義経公役の荒木健太朗さんも

荒木の部屋 -13ページ目

こうおっしゃってくださっているので、よしとして私は毎度コールしましつつ、赤のペンラがっつり振りました。本当かっこいいです。

AKBのポニーテールとシュシュや嵐の名曲Stillを担当した、ジャニヲタの中で超有名な多田慎也大先生が作詞作曲したmistakeを二幕の一曲目に置き、KAT-TUNを彷彿とさせる衣装でラップまで盛り込んできたのが完全に計算ずくで、やられたと思いました。あの数分で客をぐいっとつかみ沼に引きずりいれるんですからね。清光が「どーして歌って踊ってんのかなあ」と言ったとき、客は空気に飲まれていて、既にその疑問を忘れてしまってるんです。だいたい二曲目くらいまでは客の半分くらいが混乱して半笑いだったのに、その後はもうペンラを振るロボットと成り下がります。考えさせる間を与えないところがうまいなあ。だからこそ、そうじゃん、なんで歌ってるんだっけ、と笑いが起きるし、その直後の清光の煽り、「うしろ〜!」「まえ〜!」「みんな〜!」に違和感なく参加できるんですね。日を追うごとにキャストのファンサが上達していくのが楽しかった。

衣装もそれはそれはよかったです。ドルヲタというのはメンバー間のちょっとした衣装の差分にたまらなく興奮する生き物(だとわたしは思っている)んですけど、すこしずつデザインが違っていたり、下品にならない程度に担当色が織り交ぜられていたり、最後には大胆に肌見せがあったりと本当にこの舞台コスパよすぎるよ!!!!!!!!!!!今回のトライアルで担当色がほぼ固定されたと言っていいので、本公演が本当に本当に楽しみです。

 
◎加州清光と佐藤流司くん
とにかく、彼について話をさせてほしいんです。ここ一週間悶々としていることすべて書いたら3日くらいかかりそう。そのくらい衝撃的でした。
 
2.5次元ミュージカルの世界ではよく知られた超人気俳優であるらしい佐藤流司くん。彼がチケットの倍率を凄まじく上げるだろうと各所で予想されていたので、個人的にハードルはかなり上がっていました。誰に言っても「推しキャラが流司くんなんてうらやましい」「奇跡」と言われ、まして加州清光は曲がりなりにも私の推しとなったようだし。しかも二次元初の。出来るだけ先入観を持ちたくなくて、出演作やらほとんど調べずに見に行きました。
 
この子は、すごいぞ……!
圧倒されました。 
始まってすぐ、私は加州清光というキャラクターのことを勘違いしていたのかもしれないと思いました。清光は容姿は気にするし、捨てられたくないという思いもある、可愛がってと縋るけれど、それ以前に新撰組の魂の残る青年の刀でした、そうでした。そうなんです。見た目にこだわるからって女々しいわけじゃないんです。ずっと近侍としてつかってきたのに、ここにきてそれを思い知らされたんですねえ。想像していたよりきっと、加州清光という刀は、男らしく、強い、美しい刀だということに。
まず、流司くんの演じる加州清光がなぜあんなに可愛いのかが、どう考えてもわからない……。だって、私が思っていた加州清光よりも、ずっと男らしかったのに。審神者に溺れてちょっとメンヘラ、くらいを想像して来たのに、ハイハイ、と言うことを聞くあたり、ビジネスライクな雰囲気さえありました。それなのに、可愛いんです。信じられないほどに、可愛くて、放っておけない、加州清光が、アイアシアターの真ん中で息をしていたわけです。もう口じゃ説明できません。
顔は可愛い。それは流司くんの生まれ持ってのものとして、思っていたより声も低い、審神者にベタベタ媚びない。それなのに可愛い。低い声が部隊を率いる者としての責任感を帯びて、客を納得させる。本当に、本当に、可愛かった。宇宙一。流司プロと呼ばせてほしい。可愛すぎて涙が出て、すぐにうちわを作ると決めました。というか初日が終わってすぐに作りました表裏で。うちわを見ないことで有名なジャニーズ自担についてはもう3年以上作っていません。
 
秀逸はソロ曲ですソロ曲ですよ。いいですか。最初に乙女ゲーム顔負けの甘い台詞を真顔で吐いておきながら、失恋ギリギリにいる、縋りたい恋心をアップテンポで歌う清光が最高です。この歌詞でバラードにしなかったというあたり、本気を感じます。
 
だってアイドルファンってアップテンポな失恋曲大好きでしょ?(押しつけ)
 
ダンサー(しかもあの笹原くんつき)を従えてステージの中央に立ち、会場中を真っ赤に染める、宇宙一かっこよくて可愛い最高のソロ曲、『解けない魔法』。アーカイブ版の2900円はこの一曲につかったといっていいです。毎日見てます。本当に、最高に、可愛い。これ以上は口で説明できないので、悪いことは言わないからDL版をチェックしてください。(堂々とステマです)

更に、キャラ研究が凄いです。いやこれも事前に聞かされていたけれど、想像以上でした。

公演期間の後半になればなるほど、仕草や小ネタが増えていきました。本公演でなく、トライアル公演だったのでいろいろと挑戦できたのかもしれません(初日と千秋楽で違う内容のものを見せることについての議論はこの記事では行いません)。脚本があるので無闇に台詞を追加するわけにはいかないんでしょうが、タメが長くなったり、笑わせるシーンはコミカルになったりしました。信じられない吸収力。とくに、客の反応の良いシーンを際立たせることが上手い子でした。俳優だから当たり前と言えばそれまでなんですが、暗転している間、自分にスポットが当たっていない間もずっと爪を弄ったり、髪を直したり。キャラ作りがここまで繊細に出来る俳優って多くないと思います。もうすごい。すごいとしか言えない。脱帽です。訳がわからない。何を食べていればあんなに可愛く成長できるんだろう

 

演技に関して特筆すべきは、11/6のマチネです。

ラストの戦闘シーンで、マフラーが全部取れてしまったんです。それまでも片方落ちたりうまく巻きついていなかったりはあったんですが、その時はもう完全に首から取れかけていた。だらんと床につくほどに。ああ、どうするんだろうと。そのまま殺陣ができるはずもないし、敵に襲われるシーンなので巻き直すことも難しい。本丸であれば誰かに巻いてもらう小ネタに繋げられたかもしれないけれど、とにかくシリアスなシーンでそんな余裕も時間もない。シーンはどんどん進んでいき、結局私はこの日のラスト、マフラーばかり見てました。まったく厄介な小道具です。
流司くんはマフラーをするっと首から引き抜いて、階段を上る演技を続けながら片手にぐるぐると巻きつけました。ちょうど暴走して義経を守ろうとする今剣ちゃんを階段から引き下ろすあたりです。そして、そのまま刀を握り、凛々しい黒衣装のまま戦い始めました。取れたマフラーなど邪魔でしかないのに。清光でなかったら、違うキャラなら、たかが小道具なのだから袖に向かって投げ捨てることができたかもしれない。というか私なら絶対にそうします。邪魔だし。
反対に私が当初想像していたような「自分が可愛くて仕方のない加州清光」であれば、仲間が戦っていてもすっと影に回って、自分の容姿を気にして、ひとり影へ逃げ込んでマフラーを巻きなおし、再び舞台へ出てきたかもしれない。マフラーを巻くだけなら、袖に引っ込んでしまえば十秒で足りるから。けれどさすがはプロ。ずっと握り締めたまま、一度も床に落とすことなくカーテンコールまで演技をし終えました。圧巻でした。役作りが一貫しているからこそ出来る演技です。完全に独り言なので流していただきたいんですが、マフラーがとれて黒一色になった加州清光、しぬほどかっこよかった………………神様ありがとう
 
極めつけは、恐ろしいほどのファンサ力。
バックについて幼い頃から先輩のファンサを見ている天下のジャニーズと、ほぼ無法地帯でステージで携帯を取り出しファンとツーショットを撮るようなKPOPを渡り歩いた私があえて言います。佐藤流司くんは、凄い。ファンサのプロです。
 
ファンサの出来るアイドルは二種類に分けられる。と私は思っています。うちわのメッセージや自分の担当色にすばやく反応するキラキラ正統派と、自分を推している人間を見極めてころしていくサイレントキラー。前者は初心者が落ちやすく、現に初回一緒に入った友人は、コンコンとしてくれた小狐丸にあっさりと崩落しました。こういうアイドルにつくファンは幸せだろうな、と、ファンサをしないアイドルを応援してきた私は今でも思ってます。キラキラ正統派を推している子はいつだって楽しそうなんだもの。カメラに嫉妬するの飽きました(愚痴です)
 
反対にファンサの出来ない(しなくて許されるキャラの)アイドルは会場全体に手を振ったり、カメラに自分から近づいていくことで場を持たせます。大抵そういうタイプは美しさで周りを圧倒するので、特定の客を指差すような仕草なんて求められてないんです。生きてるだけで十分ですから。私はだらだらと6年近くもファンサをしないアイドルを応援してきたので、久しぶりに受けて心臓が止まるかと思いました。あれは定期的に受けていないと免疫が落ちるらしい。からいものと一緒だね。
 
で、佐藤流司くんについて。というか、加州清光として舞台に立っていた、佐藤流司くんについてですが、彼は、サイレントキラーです確実にな。友人に聞いたらアイドル舞台やってたというじゃないですか。そりゃそうだ。あれは素人技じゃない。プロの犯行
まず、大きな分かりやすいファンサは少ないんですよ。ハートつくって♡、バーンして♡等にもあまり応じていなかった印象。キャラの一貫だと思います、流司くんの清光ちゃんはそれほど媚びないので。会場の一点を長いこと見つめないんですよ。かといって、ファンサの出来ない新人アイドルのように全体にバラバラと手を振ることもしない。一本釣りも投網もしないんですね。だから、言い方はアレなんですが、一見ファンサをしていないように見えます
でもこれはトラップなんですけどね。
前述したとおりとにかく可愛いので、本当はそこにいるだけで十分なわけです。
でもね、騙されちゃいけません。おそらく、流司くんのみを見ていた方には同意してもらえると思うんですが、私は9回入って確信したことがあります。
 
彼は、どの場所に自分のうちわがあるかを確実に認識しているんです。
赤のペンライトを持っている人間の多いスペースも。
 
そして、赤を持った人間を、振付に混ぜて一瞬の隙で狙い撃ちします。無駄のない動きで、お辞儀をした瞬間に目配せを送り、手を伸ばすタイミングで指をくいっと曲げてみせる。手を振る時も、腕は使わない、指先をちょん、と折って微笑むだけ。貴族か。
そうして突然ファンサをくらって心停止したファンを見届けることなく、さっさと自分の仕事へ戻っていくんです。本当にプロとしか言えないようなさりげなさ、ファンサを受けた本人しか気づかないような小さな、ただし的確な方法でファンをころしにかかるわけです。もうお手上げですよ。本当に凄い。そして可愛い。
 
ソロで一面を赤い海にしたあと、ただ1人客席に降りない所も最高でした。わかってんな!!!!!って叫びたかった。全員降りる必要ないですもん。最高にアイドル。team三条を従えた絶対的センター。それでありながら他キャストが歌っているときは柔らかい眼差しで見つめる女神。
 
◎まとめ
今回初めて2.5次元のミュージカルを観劇してみて、その沼の深さを思い知りました。楽しかった。自分がこれまで追ってきたジャニーズやKPOPと通ずるところもありながら、違う魅力が溢れている最高のエンターテインメントでした。同じペンラを振るのでも、ジャニーズとKPOP、そして刀ミュにしてみても、リズムや間の使い方がみんな違うんですよね。うちわの作り方ではジャニヲタの気合いが発揮出来たし、そう言う意味でもこの舞台の客層はあらゆるジャンルの出身者が集合した同窓会のような雰囲気でした。アップテンポな曲の間奏に全員の名前を叫びたくなるのはKPOPで背負った罪ですかね。文化が違えどヲタクは楽しい。
本公演では推しに通帳を投げるお布施タイムがあるといいな。ありません。
 
読んでいただきありがとうございました!